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2022-07-23

安川満氏インタビュー(9)-伝・千足古墳出土玉類 岡山市埋蔵文化財センター所蔵

造山古墳に関連する言い伝えの事項をインタビューを通じて掘り起こすプロジェクトを進めている。今回は、安川満氏に千足の小野氏から寄贈を受けた玉類について語っていただいた。
1.日時:2022.7.11.
2.場所:岡山市埋蔵文化財センター
3.インタビュー  :安川満  54歳
4.インタビューアー:角谷賢二 72歳
5.内容:
(1)板野様、小野様のインタビューの時に小野家に伝わる勾玉、鏡、巴銅器などを岡山市に寄贈したとの情報を受けて、岡山市埋蔵文化センターの所長安川満氏を訪問して説明を受けた。
(2)2000年ころ(正確には1998年)に千足の地元の方、小野氏から代々家に伝わっている古墳からの出土品の寄贈を受けた。これらは、千足古墳からの出土品と聞いている。今回紹介の埋蔵品は、小野様だけからのものである。
(3)出土品の玉類は下記の通りである。
   管玉(くだたま) :碧玉
   棗玉(なつめだま):碧玉
   勾玉(まがたま) :メロウ
   臼玉(うすだま) :滑石
   小玉(こだま)  :ガラス
   (注):緑色の玉は、緑色片岩も交じっているかもしれない。
(4)古墳時代は、これらの玉類を作る技術は確立していた。例えば、出雲には玉作り遺跡があって、各製造段階のものが出土している。原石から磨く工程もわかっている。さほど難しい技術ではなく、根気のいる技術なのである。日本で確立した技術である。
(5)管玉は、細いキリのようなもので開けている。両側から開けるので真ん中でずれているものがある。
(6)これらの玉類は、首飾りとか腕飾りなどの装身具として使われていた。これらは、身分によるものではない。小さい墳墓でも出土している。
(7)これらは、千足古墳から出したものか第6号古墳から出土したものかはわからない。ただ、寄贈いただきた時には、千足古墳から出土したと聞いている。
(8)巴形銅器については、千足古墳からの出土にまちがいない。
(9)これらの出土品については、下記の文献に詳細に記載されている。
  「造山第2号古墳 付 伝・千足古墳出土遺物」2000年3月 P93~98 岡山市教育委員会

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