toggle
2022-10-01

西平孝史氏インタビュー(8)-直弧文レプリカ(4)- 直弧文の配列-

☞画像をクリックするとYouTubeビデオを見ることができます。

今回は、千足古墳直弧文の配列特に余白について西平孝史氏にインタビューを行った。
1.日時:2022.9.12.
2.場所:造山古墳ビジターセンター
3.インタビュー  :西平孝史 72歳
4.インタビューアー:角谷賢二 72歳
5.内容
(1)直弧文を彫っているところ以外には余白がある。わざわざ余白にする意味はよくわからないが。左端の図形のXの線は途中で切っている。この意味は、余白と文様の幅を同じ割合にするため左端の文様を切っている。昭和30年、40年ごろは、左端の文様はもともとあった文様をわざと長さを合わすため半分に切ったと言われていた。
(2)私は、実は同じ幅の余白を大事にすることを優先するためデザイン的に左端の文様を切ったと考えている。安着な話ではない。すべてが設計通りに行っている。
(3)天草の石切場は、宮崎にある洗濯岩の海岸と同じで、縦の積層になっている岩盤である。その石を千足に持ってくる時、あらかじめ石の寸法を決め、仮組みしてどのように配置するかデザインされている。
(4)銅鐸とか銅鏡などの細工ができる工人は、石を彫ることができる。きめ細かいところまで細工ができる工人達がここに来て彫ったのではないか。その人たちならば、砂岩は彫れる。それ以外の人は彫れない。実際石を彫ってみたらわかるのだが、工具がすぐちびる。
(5)研ぐ行為に近い行為をするわけだから、すぐ摩耗してしまう。三角縁神獣鏡などの鏡の鋳型を作る職人であれば直弧文を彫ることは可能である。
(6)特殊な職人と天草の特殊な石を持って来てはじめて直弧文ができた。
追記
(7)下のほうの線は、新納先生が3次元計測された時のデータの中にみられた水に浸かっていたところを示す線である。

関連記事

コメントを残す