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2022-09-17

西平孝史氏インタビュー(2)-直弧文に関する文様研究の紹介-

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造山古墳に関連する言い伝えの事項をインタビューを通じて掘り起こすプロジェクトを進めている。今回は、直弧文の文様に関する彫刻家西平孝史氏ご自身の論文(2022.6.発行)についてインタビューを行った。
1.日時:2022.9.12.
2.場所:造山古墳ビジターセンター
3.インタビュー  :西平孝史 72歳
4.インタビューアー:角谷賢二 72歳
5.内容
(1)私は感性で生きている人間なので言葉で伝えることがすごくもどかしく、歯がゆい思いを10年間してきた。この10年間が直弧文に関わった期間であった。
(2)この10年間をまとめたのがこの論文である。彫っているいる間に直弧文制作の原理が分かった。論文の題名は、「彫ってわかった石彫A型-B型直弧文の構図原理」で、考古学研究 第69巻第1号(通巻273号)2022年6月 P43-P64に発表した。
(3)直弧文の文様をバラバラにすることによって解読ができる。また、3次元で彫られていることの技術の難しさも論文の中に書いた。
(4)岡山の千足古墳と九州の石人山(せきじんさん)古墳の直弧文を比較すると、大きな違いがある。
(5)学問的には、熊本県にある井寺古墳の直弧文が初めて1917年に京都帝國大学の浜田耕作先生によって命名されて世に出た。ここから研究が始まっている。千足古墳の考古学的研究は2冊(小林行雄「古墳文化論考」、伊藤玄三「直弧文」)にまとめられている。
(6)私はそれを調べた。それらの直弧文をバラバラにして調べていくと同じような法則性がでてきた。真ん中(中心図形)の切り方も少しづつ変形していくので、どちらが先に作られたかがわかる。
(7)解読した原理を表にした。すると直弧文が作られた順番が分かり、その結果千足古墳の直弧文が石人山古墳の直弧文より前に作られたことが分かった。
(8)原理があるということは、その原理の図形のルーツがあるのではないかということで、今そのルーツを調べている。千足古墳の直弧文の技術は確立したが、その技術のルーツはどこなんだということが今回のインタビューの結論である。
(9)千足が、ここで、この地元で、一番初めに直弧文ができたんだということを声を高くして皆さんにお伝えしたい。

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