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☟第8帖 花宴 21.4cmx21.8cm
「第8帖 花宴」光源氏20歳春2月20余日から3月20余日までの宰相兼中将時代の物語。 【場面解説】宮中での桜の宴の後、月明りの中で、光源氏と朧月夜は出会う。朧月夜は、大江千里(歌人)の和歌「照りもせず曇りもはてぬ春の夜の朧月夜にしく(似る)ものぞなき」に由来。
☟第11帖 花散里 22.1cmx21.4cm
「第11帖 花散里」光源氏の25歳夏、近衛大将時代の物語。 【場面解説】花散里(はなちるさと)が住む邸の庭には、花橘が香る。 庭に飛んできた時鳥を眺める光源氏。巻名は光源氏の詠んだ歌「橘の香をなつかしみほととぎす花散る里をたづねてぞとふ」による。
☟第13帖 明石 22.0cmx21.2cm
「第13帖 明石」光源氏の27歳春から28歳秋まで、明石の浦を去り、政界に復帰する物語。 【場面解説】須磨に身を潜めていた光源氏。 八月十三日の夜、供を連れて明石へ向かう。
☟第19帖 薄曇 22.1cmx21.1cm
「第19帖 薄雲」光源氏の31歳冬12月から32歳秋までの内大臣時代の物語。 【場面解説】光源氏と明石の君との間には姫が生まれた。 出かけようとする光源氏の袖を小さな姫が引っ張る。巻名は光源氏が藤壺の死を悼んで詠んだ和歌「入り日さす峰にたなびく薄雲はもの思ふ袖に色やまがへる」にちなむ。
☟第21帖 少女 22.0cmx21.4cm
「第21帖 少女」光源氏の33歳の夏4月から35歳冬10月までの太政大臣時代の物語。 【場面解説】光源氏の邸に住む女君たちには、それぞれの好みにより四季の庭が与えられた。 秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)は、春を愛でる紫上のもとに、美しい紅葉を届けさせた。
☟第30帖 藤袴 241.5cmx20.9cm
「第30帖 藤袴」光源氏の37歳秋8月から9月までの太政大臣時代の物語。 【場面解説】喪に服して鈍色の衣を着た夕霧(光源氏の息子)と玉鬘。 夕霧は、玉鬘(たまかずら)への思いを藤袴の花に託して伝えた。
☟第32帖 梅枝 22.0cmx21.2cm
「第32帖 梅枝(うめがえ)」光源氏の39歳1月から2月までの太政大臣時代の物語。 【場面解説】美しい紅梅が香る光源氏の邸で、薫物(たきもの)合わせの遊びが行われた。
☟第43帖 紅梅 21.5cmx21.0cm
「第43帖 紅梅」匂宮と紅梅大納言家の物語。 【場面解説】光源氏の没後の物語。 匂宮(光源氏の孫)のもとに、紅梅大納言から、梅の枝に添えて文が届けられた。
【作品解説】
もとは「源氏物語」54帖分の色紙がセットになっていたと思われますが、現在は数枚の色紙が伝わっています。やまと絵師・土佐光吉(1539~1613)考案の図様を手本として描かれています。土佐光吉の工房では細密な源氏絵が数多く制作され、桃山時代から江戸時代前期にかけて人気を博しました。本作は、光吉やその工房の作と比べるとモチーフがかなり省略され、描写にも崩れが見られることから、江戸時代前期に土佐派の源氏絵を学んだ町絵師の工房で制作されたものと思われます。
【関係者】
色紙の所蔵と研究:関西大学教授 林 武文
デジタル化 :関西大学客員教授 角谷賢二
作品解説 :堺博物館学芸員 宇野千代子
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